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ヤマニン次期若大将は誰だ!?

Last Update / 2008.11.18

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Yamanin Club / Special Edition Number =1=

ヤマニン次期若大将は誰だ!?
〜ヤマニンアクロ引退〜

written by なおや

アクロ引退!

2001年12月7日、寒波が訪れことを予感しつつもまだ暖かい日だったその日、ヤマニン倶楽部に新しいニュースが舞い込んだ。スポーツ新聞は欠かさず読むようにしているのだが、見落としてしまっていた。競馬サイトを見ているうちに目に飛び込んできた文字……『ヤマニンアクロ引退・乗馬へ』……。ヤマニンアクロ、1996年5月2日生まれ、静内町ヤマニンベン牧場の生産馬だ。ヤマニンベン牧場父はヤマニンが誇る偉大なる種牡馬ヤマニンスキー。母は、ドリーマー(6勝)ファントム姉弟やG2を3勝したグローバル(現種牡馬)を輩出したヤマニンを支える牝系ロウァライツ系、そして幻のオークス馬マリーンの姉ヤマニンクララ。

生粋のヤマニン家系に生まれ落ちたアクロは、旧齢3歳の9月、札幌の新馬戦を勝ち上がった。1800mを1.58.4は、時計的に見るべきところはないが、陣営がどれだけアクロに期待していたかはその後のレースが物語っている。中2週で札幌3歳S(G3)に挑戦して5着掲示板。タイムは1.51.3と短縮。11月に条件戦を2着(1.48.7)し、東京スポーツ杯3歳(G3)で4着。重賞での好走に心は弾んだことだろう。後のGI馬アドマイヤコジーンにコンマ3秒差。力はある! そして1999年2月14日(バレンタインデーだ)、東京芝1800mで戦われた共同通信杯4歳S・トキノミノル記念(G3)で見事な逃げ戦法を披露したアクロは、新鋭騎手・勝浦ジヨッキーを背に一番で重賞のゴールに飛び込んだのだった(1.50.2)。伝統あるこのレースでの重賞制覇は、キンショーテガラとの大穴馬券としても歴史を作った。ヤマニン軍団にとっては、パラダイスが1994年の阪神3歳牝馬S(GI)に勝利して以来の、そして生産者ヤマニンベン牧場にとっても1994年の中日新聞杯(G3)のフォックス以来の長い冬の終わりを告げる重賞制覇だったに違いない。

しかし、春の到来は雪解けまでは許してくれなかった。アクロは勇躍皐月賞、ダービーへとコマを進めたが、ヤマニン悲願のクラシック制覇は成し遂げられなかった。皐月賞ではテイエムオペラオーに1.5秒差の10着、ダービーもアドマイヤベガの1.7秒差10着。1967年、東京優駿で2着に入ったカップ以来の悲願は、またしても手が届かなかった。しかし、アクロは新天地を求め、ユニコーンSへ向かうが12着……。そしてアクロは、長い、本当に長い休養期間に入ってしまった。休養は2年に及ぶことになる。しかし、決してヤマニン軍団はその前進を留めたわけではない。弟分であるリスペクト(牡 父サンーサイレンス 母ヤマニンシヤレード)が京都3歳S(OP)で快勝し、一躍注目される立場に立つが、どうしても届かないのが重賞。クラシック戦線では皐月賞と菊花賞に参戦。5着、7着と末脚を爆発させて健闘も、どうしても届かない重賞制覇。この間も、ヤマニン唯一の重賞勝ち馬はアクロであり続けた。ヤマニンの若大将アクロは、皆の期待を背負ってその復帰が待たれていた。

錦岡牧場新和育成牧場しかし、アクロの復帰は長引いた。もやもやする脚もと……アクロの強すぎる脚力は、彼自身の脚もとをことある毎に傷つけてしまう。ヤマニンの育成拠点、新冠町・錦岡牧場新和育成牧場で調整し、そして美浦の外厩へ出発しても、彼の強靱な脚力は再び新和へと逆戻り……。復帰のめどが立つと、厩舎の壁を蹴り付けて怪我……そんな繰り返しが、なかなかアクロを競馬場へと送り出さなかった。しかし、遂にその時は来る。私が北海道を旅行した2001年10月に、既にアクロは外厩へ移り、11月10日ノベンバーS(準OP)で復帰した。逃げ足を発揮できず最下位。11月24日ウェルカムSでも最下位……。若大将はヤマニンファンの期待を背に走り続け、引退、乗馬となった。10戦2勝。競走成績が際立っているわけではないが、ヤマニン軍団においてその偉大さは、重賞制覇によって証明され、また、勝浦正樹騎手の看板馬としての活躍を忘れることはない。

ポスト・アクロの3頭

休養中のリスペクトさて、唯一の重賞勝ち馬アクロの引退は、ヤマニン軍団としても非常に大きな喪失となった。若大将として活躍したアクロの後釜は……。実は、リスペクト世代はリスペクト以外に活躍馬がなく、その下の世代は全くの期待はずれ(初勝利が3歳のダービー前では……)。しかし、リスペクトを追うように、2頭の活躍馬をその下の世代・2001年デビュー組は輩出する。イデアル(父ダンシングブレーヴ 母ティファニーラス)はデビュー以降徐々に身体を絞り、OP特別・ききょうSを最後方から差しきりOP入り。続いてパラダイスの初子セラフィム(父サンデーサイレンス)はデビュー戦を快勝、続いて出世レースと言われるエリカ賞では強豪と呼ばれたビワワールドとモビーディックを破り2連勝、これもOP入りした。アクロは引退したが、若大将に今一番近いのがこの3頭だろう。リスペクトは今のところ、休養中の身だが、誰しもが重賞に一番近い存在だと思っている。鞍上問題がついてまわってしまうが、ミラクル、アビリティの下ということもあり、期待は大きい。イデアルはGI朝日杯フューチャリティSに出走。現在一番重賞戦線で活躍を見せているが、こちらも鞍上が代わり、なかなか勝てないレースが続いている。セラフィムは期待が大きい。GIまで目指せる器だ。だが、年内休養で、他の強豪とどれぐらいの力の差があるのかはこれから見極める段階だ。

今、一番の若大将各は間違いなくリスペクトだ。OP勝ちもあり、また勝ち数も1番だ。重賞に近い一にいることも間違いない。しかし一方で、今活躍しているのはイデアルだ。将来性ならセラフィムがいる。アクロが引退してしまった今、再びヤマニンの活躍馬が出て欲しいと思っているし、クラシックへの夢も再び……。あなたが若大将と認めるのは、どの馬だろうか? 実は私はセラフィムに期待している。GIをねらえるかも……と思っているからだ。重賞勝ち馬はいなくなってしまったが、今、ヤマニンは間違いなく熱い。アクロの後釜を、いったいどの馬が引き受けるだろう。クラシックだけではない楽しみがここにはある。みなさんはどの馬が若大将だと思いますか?

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